Webサイトを制作する際、HTMLやCSSといった技術的な話の前に、最も重要なステップがあります。それは、Webサイトの「設計」です。
家を建てる際に設計図がないと、途中で壁の配置に困ったり、窓がうまくはまらなかったりするように、Webサイトも設計図なしでは行き詰まってしまいます。
この「設計編」では、Webサイトを成功に導くための3つのステップを、一つずつ実践していきます。
- 目的とゴール設定: Webサイトを作る理由を明確にし、達成すべき目標を定めます。
- サイト構造とレイアウト設計: サイトの全体像と各ページのレイアウトを考えます。
- デザインの方向性決定: ターゲットに合わせたWebサイトの雰囲気を決めます。
それでは早速、最初のステップである「目的とゴール設定」から始めましょう。
目的とゴール設定
Webサイトを制作する際、いきなりデザインやコーディングを始めるのは、設計図なしに家を建て始めるようなものです。最終的に何を目指すのかが曖昧なまま作業を進めても、期待通りの結果は得られません。Webサイト制作において、最も重要な最初のステップは、「なぜそのWebサイトを作るのか?」という目的とゴールを明確にすることです。
このステップでは、Geminiを優秀なWebサイト設計のアシスタントとして活用します。頭の中にある漠然としたアイデアを、Geminiとの対話を通じて具体的な設計図に落とし込んでいきましょう。
ここでは例として「渋谷にある隠れ家カフェのWebサイト」を作るケースで進めます。
ゴールから逆算して考える
Webサイトの目的とは、単に「情報を公開するため」ではありません。それは、訪問者(ユーザー)にどのような行動をとってほしいのか、という具体的なゴールに落とし込むべきです。
以下は、Geminiに「新規顧客の獲得」という目的を達成するための、測定可能なゴールを提案してもらった例です。
プロンプト例: これから渋谷の隠れ家カフェのWebサイトを作ります。目的は『新規顧客の獲得』です。この目的を達成するための、測定可能なゴールを5つ提案してください。
Geminiの回答例:
渋谷の隠れ家カフェWebサイトにおける新規顧客獲得のための測定可能なゴール5選
- オーガニック検索からの月間ウェブサイト訪問者数:1,000人
- 目的: カフェを探している潜在顧客にWebサイトを見つけてもらう(認知・集客)
- 解説: 「渋谷 カフェ おしゃれ」「渋谷 隠れ家 デート」といったキーワードで検索しているユーザーは、来店意欲が非常に高いと考えられます。このような検索エンジン経由での訪問者数を増やすことは、新規顧客獲得の土台となります。
- 「メニュー」と「アクセス」ページの閲覧数:各月間500PV
- 目的: Webサイトを訪れたユーザーに、カフェの魅力と場所を伝え、興味関心を高める
- 解説: 新規の訪問者が最も知りたい情報は「どんなメニューがあるか」と「どうやって行けるか」です。これら2つのページの閲覧数を見ることで、Webサイトがユーザーの興味を引き、来店を具体的に検討させられているかを測ることができます。
- Webサイト経由のGoogleマップ表示回数:月間100回
- 目的: 来店意欲の高いユーザーの具体的なアクションを測定する
- 解説: Webサイト上で地図アプリを開く行動は、「お店に行ってみよう」という意思の表れです。この数値を計測することで、Webサイトが来店を後押ししているかを間接的に測定する重要な指標となります。
- Webサイト限定クーポンの月間利用数:20組
- 目的: Webサイトがどれだけ実際の来店に繋がったかを直接測定する
- 解説: Webサイトの効果を最も明確に測定できるゴールです。「Webサイトを見てくれた新規のお客様」の数を直接把握できるため、Webサイトへの投資対効果を判断する上で非常に有効です。
- InstagramからのWebサイト流入数:月間300セッション
- 目的: SNSを活用して、カフェの世界観に共感するファンをWebサイトへ誘導する
- 解説: 隠れ家カフェの雰囲気やこだわりのメニューは、写真や動画が中心のInstagramと非常に相性が良いです。SNSからの流入を測定することで、SNSマーケティングの効果を測り、より効果的な情報発信に繋げることができます。
このように、具体的な数値目標を立てることで、サイトが成功したかどうかを客観的に判断する基準ができます。設計の段階でこの「地図」をしっかり描いておくことで、その後の制作作業がスムーズに進み、迷うことなく完成へとたどり着くことができるのです。
サイト構造とレイアウト設計
Webサイトのゴールが明確になったら、次はそれを形にするための「設計図」を作ります。Webサイトの設計図は、大きく分けて2つの要素から成り立っています。
1. サイトマップの作成(情報構造)
サイトマップは、Webサイト全体のページの構成と階層を一覧にした、いわばWebサイトの地図です。このマップを作成することで、必要なページがすべて揃っているか、ユーザーが目的のページに迷わずたどり着けるかを確認できます。
サイトマップの作成例(渋谷の隠れ家カフェの場合):
- トップページ (Home)
- お店のコンセプトや雰囲気を伝える
- メニュー (Menu)
- フード・ドリンクメニュー
- ギャラリー (Gallery)
- 店内の様子、料理の写真
- アクセス (Access)
- 地図、営業時間、電話番号
- ブログ/お知らせ (Blog/News)
- 新メニューやイベント情報を発信
- お問い合わせ (Contact)
- メールフォーム、SNSリンク
2. ワイヤーフレームの作成(レイアウト)
ワイヤーフレームは、各ページのどこに何を配置するかを決める骨組みの設計図です。色や画像は使わず、シンプルな四角や線でコンテンツの配置を視覚化します。
ワイヤーフレームの役割:
- コンテンツの優先順位付け: ユーザーに最も見てほしい情報をどこに置くかを決めます。
- 導線の最適化: ユーザーが目的の情報にスムーズにたどり着けるような流れを作ります。
- UI/UXの検討: ユーザーが使いやすいサイトになっているかを検証します。
ワイヤーフレームは、ノーコードツールや手書きでも簡単に作成できます。複雑なツールは必要ありません。
プロンプト例:「[目的]を達成するためのサイトマップを提案してください。ユーザーがスムーズに情報にたどり着けるような、シンプルで分かりやすい階層構造にしてください。」
デザインの方向性を決める
サイト構造とレイアウトが決まったら、いよいよデザインの方向性を考えます。ここでは、Webサイトの「トーン&マナー」を定めます。トーン&マナーとは、Webサイト全体の雰囲気や世界観のことです。
デザインの方向性を決める要素:
- 配色: ターゲット層やブランドイメージに合った色を選びます。
- フォント: 読みやすく、サイトの雰囲気に合った書体を選びます。
- 写真/画像: サイトの雰囲気を伝える上で非常に重要な要素です。
デザインの方向性の例(渋谷の隠れ家カフェの場合):
- ターゲット: 20代〜30代の女性
- トーン&マナー:
- 配色: 落ち着いたアースカラーや暖色系
- フォント: 手書き風や丸みを帯びたフォント
- 写真: 自然光を活かした温かみのある写真
プロンプト例:「[ターゲット層]に向けた[Webサイトの雰囲気]のサイトを作りたいです。このトーン&マナーに合う、[配色]、[フォント]、[写真の雰囲気]を具体的に提案してください。」
これらの設計図が完成したら、いよいよWebサイトを形にする「環境構築編」へと進みます。
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