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リサーチは10分でOK!AIを「壁打ち相手」にする初めてのリサーチ術

「市場リサーチ」と聞くと、「何から手をつければいいの?」「すごく時間がかかりそう…」と、少し身構えてしまいませんか?

もし、そのリサーチの最初のたたき台作りが、たった10分で完了するとしたらどうでしょう?

このセクションで学ぶのは、AIを単なる検索エンジンとして使うのではなく、あなたの思考を整理してくれる「壁打ち相手」にする、初めてのリサーチ術です。

あなたが投げかけたテーマに対して、AIが競合や顧客像の「仮説」というボールを返してくれます。あなたは、そのボールを受け取り、「これは本当?」「こっちの方が面白いかも?」と考えるところから始めればいいのです。

ゼロから闇雲に調べる時代は終わりました。AIとの対話から、リサーチの第一歩を賢く、そして速く踏み出しましょう!

目次

まずはリサーチの「お題」を決めよう

さて、いよいよAIとのリサーチを始めますが、その前に一つだけ、とても重要な準備があります。それが具体的な「お題(テーマ)」を決めることです。

リサーチと聞くと、なんだか壮大なテーマに感じて、「さて、何を調べよう…」と、どこから手をつけていいか分からなくなってしまいがちです。これは、目的地を決めずに旅に出るようなもので、途中で道に迷ったり、不要な寄り道をしてしまったりする原因になります。

最初に具体的で明確な「お題」を設定することで、AIに投げる質問の精度が上がり、リサーチのゴールがブレなくなります。「何について調べるか」を絞り込むことこそ、リサーチを10分で終わらせるための最大の秘訣なのです。

今回の演習テーマ

そこで、このモジュールを通して、あなた自身がビジネスの企画者になったつもりで取り組めるよう、共通の「お題」を設定しました。

今回の演習で、あなたと私(AI)が取り組むテーマはこちらです。

演習テーマ 📝

東京・渋谷エリアで、「健康的な食生活も指導する、20代後半〜30代の女性向けパーソナルジム」を新規開業する。

なぜこのテーマなのでしょうか?良い「お題」には、リサーチに必要な要素が詰まっています。

  • エリア: 東京・渋谷エリア → 競合が多く、リアルな市場調査がしやすい。
  • サービス: 健康的な食生活も指導するパーソナルジム → ビジネスの「強み」や「差別化」のポイントが明確。
  • ターゲット: 20代後半〜30代の女性 → どんな人に向けたサービスなのかが具体的で、ペルソナが描きやすい。

パートナーとして、リサーチを始めよう

どうでしょう?少しワクワクしてきませんか?

この瞬間から、あなたは新規事業のマーケティング担当者です。そして、私(AI)はあなたの頼れるアシスタント兼リサーチパートナー。私たちのチームの最初のミッションは、この新しいジムを成功させるための土台となる、質の高いリサーチを最速で完了させることです。

では、最初のタスクに移りましょう。 まずは、この渋谷という戦場に、どんなライバルがいるのか?AIに市場の地図を描いてもらうところから始めます。

AIに市場の地図を描いてもらう(競合リサーチ)

新しいビジネスを始める時、いきなり「どんなサービスにしよう?」と考えるのは危険です。まずは、私たちがこれから戦う市場(=渋谷エリア)に、どんなプレイヤー(=競合)がいて、それぞれどんな戦略で戦っているのか、その全体像を把握することから始めます。

これを一つ一つGoogle検索で調べるのは大変ですよね。そこで、AIアシスタントの出番です。 AIに「マーケティングリサーチャー」という役割を与え、私たちの知りたい情報を構造的に整理してもらいましょう。

AIに投げる「プロンプト」

以下の「」で囲まれた文章(プロンプト)をコピーして、実際にAI(ChatGPTなど)に入力してみてください。これが、AIに仕事をしてもらうための「プロンプト」になります。

【プロンプト】

あなたはプロのマーケティングリサーチャーです。
東京・渋谷エリアで「健康的な食生活も指導する、20代後半〜30代の女性向けパーソナルジム」の開業を計画しています。

この計画における主要な競合ジムを、Web上で調査できる範囲で5つ挙げてください。 そして、それぞれの特徴、価格帯(2ヶ月集中コースなどの目安)、強み、弱みを分析し、分かりやすく表形式でまとめてください。

【プロンプトのポイント】

  • 役割を与える: 最初に「あなたはプロのマーケティングリサーチャーです」と役割を指定することで、AIの回答の質と専門性が向上します。
  • 目的を明確に伝える: 「〇〇の開業を計画している」と背景を伝えることで、AIは何のための調査かを理解します。
  • 具体的な指示を出す: 「5つ挙げて」「表形式でまとめて」のように、アウトプットの形式まで具体的に指示することで、あなたが望む形の回答を引き出しやすくなります。

AIからのアウトプット(回答例)

プロンプトを投げると、AIは数秒から数十秒で、以下のような市場の地図(競合リサーチ結果)を提示してくれます。

【AIによるアウトプット(想定)】

競合ジム名特徴価格帯(目安)強み弱み
Aジム (例: RIZAP)短期集中型。徹底した食事管理とマンツーマントレーニングで「結果にコミット」する。約40万円高い知名度と実績。劇的な変化を望む層に強い。価格が非常に高い。厳しい食事制限のイメージ。
Bジム (例: B-CONCEPT)女性向け・下半身/太もも痩せ特化型。託児所付き店舗もあり、産後ダイエットにも強い。約30万円ターゲットが明確。女性特有の悩みに寄り添う。下半身以外への関心が薄い層には響きにくい。
Cジム (例: CREBIQ)女性専用。栄養士が毎食の食事指導をLINEでサポート。美尻・美脚メソッドに定評。約25万円食事サポートの手厚さ。女性らしいボディライン作り。知名度は大手より劣る。
Dジム (例: Dr.stretch)パーソナルストレッチ専門店。トレーニングだけでなく、体のメンテナンスや柔軟性向上も目的。約5万円 (月額)運動が苦手な層も取り込める。価格が比較的安い。筋力UPや大幅な減量目的の層には不向き。
Eフィットネス (例: chocoZAP)コンビニジム。24時間営業でセルフエステや脱毛も可能。圧倒的な低価格。約3,000円 (月額)価格、手軽さ、設備の多様性。パーソナルトレーニングや食事指導はない。

どうでしょうか。 たったこれだけの作業で、渋谷エリアのパーソナルジム市場が、価格帯や特徴によっていくつかのグループに分かれていることが一目で分かりましたね。

これがAIとのリサーチの第一歩です。 次のステップでは、この競合の地図を元に、私たちのジムに来てくれるであろう「お客様の顔」をAIに描いてもらいます。

AIに顧客の顔を描いてもらう(ペルソナ作成)

なぜ「顧客の顔」を具体的に描くのか?

市場にどんなライバルがいるかが分かったら、次に考えるべきは「では、私たちは『誰に』向けたサービスを作るのか?」ということです。

多くのビジネスが失敗する原因の一つに、「すべての人」をターゲットにしてしまうことがあります。しかし、「誰にでも合う服」が結局誰のお気に入りにもならないように、特徴のないサービスは誰の心にも響きません。

そこで、私たちのジムを「大好き!」と言ってくれるであろう、たった一人の理想の顧客像、いわゆる「ペルソナ」を具体的に設定します。ペルソナの顔を思い浮かべながらサービスや情報を設計することで、メッセージに魂が宿り、ターゲットの心に深く突き刺さるようになります。

AIに「理想のお客様」のヒントをもらう

ゼロからペルソナを考えるのは大変ですが、心配いりません。先ほどAIが分析してくれた競合の強み・弱みを元に、AIにペルソナの原型を描いてもらいましょう。

特に、競合の「弱み」や、競合が満たせていないニーズに注目するのがポイントです。そこに、私たちのジムが狙うべき独自のポジションが見えてきます。

【プロンプト】

ありがとうございます。非常に分かりやすい競合分析です。

この競合分析、特に競合の「弱み」を踏まえて、私たちがこれから開業する「健康的な食生活も指導する、20代後半〜30代の女性向けパーソナルジム」に来てくれそうな、典型的な顧客のペルソナを2名、詳細に作成してください。

ペルソナには、以下の項目を含めてください。 ・名前と年齢 ・職業と働き方 ・ライフスタイル ・ジムに通う目的 ・彼女が抱えている具体的な悩みや不満(競合ジムへの不満など) ・情報収集に使うメディアやアプリ

【プロンプトのポイント】

  • 前の対話を活用する:「ありがとうございます。非常に分かりやすい競合分析です」と前置きすることで、AIはこれまでの文脈を維持したまま、次のタスクに取り組んでくれます。
  • 思考のヒントを与える:「特に競合の『弱み』を踏まえて」と指示することで、単なる平均的な顧客ではなく、私たちのジムが狙うべき、より具体的な人物像をAIが思考しやすくなります。
  • 出力形式を指定する: ペルソナに含めてほしい項目を箇条書きで指定することで、抜け漏れなく、私たちが求める情報を整理してくれます。

AIからのアウトプット(回答例)

するとAIは、競合の「弱み」を補完するような、私たちのジムにとって理想的と言える顧客像を提示してくれます。

【AIによるアウトプ-ット(想定)】

ペルソナ1:リバウンド経験に悩む、堅実派OL

  • 名前と年齢: 佐藤 恵美(さとう えみ)、29歳
  • 職業と働き方: 渋谷のIT企業で働く事務職。リモートワーク中心で通勤は週1〜2回。
  • ライフスタイル: 真面目でコツコツ努力するタイプ。過去に短期集中型のジム(Aジムのような高価格帯)に通い10kg減量したが、厳しい食事制限の反動でリバウンドしてしまった経験を持つ。
  • ジムに通う目的: 見た目の変化だけでなく、無理なく続けられる健康的な食生活と運動習慣を身につけ、根本的な体質改善をしたい。
  • 悩みや不満: 「結果にコミット」のような厳しいジムはもう嫌だ。自分のペースに寄り添い、長期的な視点でサポートしてくれる場所を探している。月々5万円以上は正直厳しい。
  • 情報収集メディア: Instagram(#渋谷ジム #食事改善)、美容系ウェブメディア(MAQUIA、VoCE)、Googleマップの口コミ評価。

ペルソナ2:健康意識が高い、プレ花嫁

  • 名前と年齢: 鈴木 友香(すずき ゆうか)、32歳
  • 職業と働き方: アパレル企業のプレス担当。外出や会食も多く、不規則な生活になりがち。
  • ライフスタイル: 1年後に結婚式を控えている。美容や健康への意識は高いが、忙しくてなかなか自炊や運動が続かない。
  • ジムに通う目的: 結婚式に向けて、ただ痩せるだけでなく、内側から綺麗になりたい。特にドレスを着こなすための姿勢改善やデコルテラインを美しく見せたい。
  • 悩みや不満: 女性専用(BジムやCスタジオのような)は魅力的だが、下半身特化などメニューが偏っているのは避けたい。全身をバランスよく、かつ綺麗に見せるためのトータルサポートをしてほしい。
  • 情報収集メディア: Instagram(#プレ花嫁 #ブライダルエステ)、結婚情報誌アプリ(ゼクシィ)、友人やインフルエンサーのおすすめ。

佐藤恵美さん、鈴木友香さん…まるで本当に渋谷で働いていそうな、リアルな人物像が見えてきましたね。

これで市場の地図と、そこにいる顧客の顔(仮説)が手に入りました。しかし、これはまだAIが作り出した「仮説」にすぎません。 次のステップでは、この仮説に命を吹き込む、人間だからこそできる「検証」のフェーズに移ります。

仮説に命を吹き込む、人間による検証ステップ

なぜ「検証」が絶対に欠かせないのか?

AIが提示してくれた競動分析とペルソナは、非常に優れていました。しかし、忘れてはならないのは、AIの知識は「過去のインターネット上の情報」に基づいている、ということです。

そのため、以下のような限界があります。

  • 情報の鮮度: 料金プランが最近変わった、新しいサービスが始まった、といった最新の情報は反映されていない可能性があります。
  • 情報の文脈やニュアンス: Webサイトにはポジティブなことしか書かれていないかもしれません。顧客が本当に感じている「不満」や「喜び」といった生々しい感情は、データだけでは読み取れません。
  • オフラインの情報: そのジムの実際の雰囲気、トレーナーの人柄、客層といった、現地に行かなければ分からない情報はもちろん含まれていません。

だからこそ、AIが出してくれた「仮説」という設計図を元に、私たち人間が「リアルな情報」で肉付けし、「確かな戦略」へと進化させる「検証」のステップが不可欠なのです。

3つの検証アクションプラン

では、具体的に何をすればいいのか。今日からすぐにできる3つのアクションをご紹介します。

1. 情報の真偽チェック(ファクトチェック)

これは基本中の基本です。探偵になったつもりで、AIの情報の裏付けを取りましょう。

  • アクション:
    • AIがリストアップした競合ジム(Aジム、Bジムなど)の公式サイトを訪れ、コース内容や料金が現在も同じか確認する。
    • Googleマップでジムの名前を検索し、営業時間や住所、外観の写真などをチェックする。

【チェックポイント】 「あれ、AIは価格が約30万円と言っていたけど、公式サイトを見たら40万円のコースがメインになっているな…」といったズレを発見することが、このステップの目的です。

2. リアルな声の収集(口コミ・SNS分析)

次に、顧客の「本音」を探ります。公式サイトには書かれていない、リアルな体験談にこそビジネスチャンスが眠っています。

  • アクション:
    • Googleマップのレビュー(クチコミ)を読み込む。特に、評価が低いレビュー(★1〜★3)には「予約が取りにくい」「スタッフの対応が…」といった具体的な不満が書かれていることが多いです。
    • InstagramやX(旧Twitter)でジム名を検索し、一般の人がどんな投稿をしているかを見る。「#Aジム卒業」などのハッシュタグで、通い終えた人の感想を探すのも有効です。

【チェックポイント】 「食事指導が手厚いと評判のCジムだけど、口コミを見ると『毎日の報告が正直しんどかった』という声も多いな。うちのジムは、もっと続けやすい週2回のチェック形式にしたら喜ばれるかも?」といった、サービス改善のヒントを見つけます。

3. ペルソナの解像度UP(ヒアリング)

最後に、AIが描いてくれたペルソナ(佐藤恵美さん、鈴木友香さん)が本当にリアルなのかを検証します。

  • アクション:
    • あなたの友人や同僚の中から、ペルソナに近い人(例:29歳でIT企業勤務の友人)を探し、5分だけ時間を取ってもらいます。
    • 「今、こんな人向けのサービスを考えてるんだけど…」とAIが作ったペルソナ像を見せ、「この子、本当にいそう?」「こういう子がジムに求めることって、他に何があると思う?」と気軽に質問してみましょう。

【チェックポイント】 「恵美さんみたいな子は、在宅勤務で体が凝り固まってるから、トレーニングだけじゃなくて、ストレッチやマッサージもセットだと嬉しいかもね」といった、当事者ならではの潜在的なニーズを引き出すことができれば大成功です。

これらの検証ステップを経て、AIが提示した仮説は、机上の空論ではない、血の通ったリアルな戦略へと進化します。

以上で、リサーチと情報整理の全工程は終了です。 次のセクションでは、この素晴らしいリサーチ結果を元に、いよいよ「文章を創り出す」トレーニングに入っていきます。

まとめ:AIと人間の最強タッグで、リサーチをアップデートしよう

このセクション「リサーチは10分でOK!AIを「壁打ち相手」にする初めてのリサーチ術」では、AIを活用してリサーチの質とスピードを劇的に向上させるための、新しい型を学びました。

もう「リサーチは時間がかかって大変だ…」と身構える必要はありません。 今日学んだ、AIと人間の理想的な役割分担を思い出してください。

  • AI = 0 → 1 を作る(スピーディな仮説出し)
    • 競合分析やペルソナ作成といった、リサーチのたたき台をわずか10分で生成する、あなたの高速アシスタントです。
  • 人間 = 1 → 10 に磨く(仮説の検証と戦略の深化)
    • AIの仮説を元に、情報の真偽を確かめ、顧客の生の声に耳を傾け、リアルな知見を加えることで戦略に命を吹き込む、プロジェクトの意思決定者です。

この新しいリサーチの型を身につけたあなたは、もう「どこから手をつければ…」と迷うことはありません。AIという最高の壁打ち相手と共に、あらゆるビジネスの第一歩を、自信を持って、そして何より速く踏み出せるようになったのです。

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